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焼き締めっていいよね (No.813)

昨夜から雪が降り、さらに明日明後日と雪予報です。
40㎝なんていう予報通りだと車も出せなくなります。
今朝の雪
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和歌山で穴窯を築いて長く焼き締めを焼き続けている陶芸家に森岡成好さんという人がいます。
最近同じ年の生まれだと知ったので、高齢のはずですが、ブログでの薪割の量のすごさ、詰める作品の多さなど、私なんかの数十倍のエネルギーがあるのかと思ってしまいます。
1週間あるいはそれ以上の時間焼き続ける焼き締めです。
長い窯焚きには集まってくる若い人もいる様子なので、尊敬も集めているのでしょう。

この作品に典型的に表れていますが、焼き締めは土が内側に秘めたものを引き出しています。
全体が炎の洗礼の結果なのですが、噴き出した砂粒?、黒くへこんだくぼみ?、炎の当たり具合で現れる色の移ろいなど、均質でつるっとした陶器にはない魅力があります。
私の薪窯は十数時間で釉薬物を焼く小さな窯なのですが、ときどき釉薬をかけない焼き締めをしたくなります。
1回で焼けないときは2回3回と重ねて焼くことで焼き締まり、水ももれなくなる土があります。
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汚いような小壺ですが、こんな物でも多様な色を持ち、一言で言えない変化を秘めています。
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これも花入れです。
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もちろんこんな風に拡大して見はしないですが、それがかえって見せびらかさない魅力でもあるように感じます。
そんなわけで、これからも焼き締まりのいい土があったら火前に置いてみたいと思っています。

森岡さんのところには3つ目の窯があって、それが倒炎式のものですが、奥さんの由利子さんが、焼き締めとは正反対と思える白磁を焼いているというのが面白いなあ。
ろくろ引きしたものを見ると、精製もほどほどにしてあるのでしょう、表面が小石か何かであちこち膨れています。
それは言ってみれば普通は欠点でしょうが、あえてそうしているところが森岡さんの焼き締めの魅力なんでしょうね。


(薪窯作陶雑記より)
なかなかこうはできません。

昨日作った土切の弓
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竹ではうまくいかなかったので、イチジクの生木で無理無理に。
ワイヤーを先端に出すのは、三郎窯さんのやり方で、土を切るには理屈に合っています。


by inutoutuwa | 2024-02-04 15:06 | 作品 | Comments(0)

八ヶ岳南麓で薪窯を焚く冬青さんの犬と器のはなし


by inutoutuwa